01
HISTORY · レイ

役割は、相手や場面との関係で見える

キャラクターの特徴を一覧にすると、何が違うかは整理できます。しかし、どんな場面でその違いが意味を持つかは、別に考える必要があります。『スカーレット・バイオレット』の公式説明には、ポケモンと技にタイプがあり、相性によって与えるダメージが変わることが示されています。特性も説明されています。ここで確認できるのは、同作の戦略に関わる条件です。

BASでは、この構造を「誰と、どの場面で組み合わさるかによって見える役割」として読みます。単独で高い数値を持つことと、自分の目的に合う組合せになることは、同じ問いではありません。ただし、実際の対戦環境でどの組合せが有効かは、対象ルールや時期によります。本稿は競技上の推奨チームを示さず、具体的な強弱の順位も認定していません。

紙のカードへ移ると、関係の作り方も変わります。ポケモンカードゲームの公式ルールには、ポケモン、エネルギーなどのカードを組み合わせ、ワザを使う条件が説明されています。同じ名前のキャラクターが登場していても、ビデオゲームの操作をそのまま行うわけではありません。媒体が変われば、何を持ち、何を選び、どの順に行うかを別に読む必要があります。

自分の商品シリーズや登場人物へ応用するなら、特徴の数を増やす前に、一つの組合せを考える方法があります。単独で見たときには分からなかった役目が、二つを並べると見えるか。それとも似た説明が増えるだけか。これはBASの検討案で、顧客の選択を予測する法則ではありません。役割は、名札として付ければ伝わるものではなく、使う場面と一緒に説明できるかが問いになります。

02
STORY · レイ

ルールがあることと、完成を望むことは別

集められる対象と到達点があると、誰もがそこへ向かうように見えてしまうことがあります。しかし、仕組みの中で定められた結果と、参加する人が実際に何を大切にするかは分けたいところです。Juulの2003年の原論文は、古典的ゲームの定義を提案する中で、ルールや結果、プレイヤーと結果の関係を区別します。これは収集者全員の動機を測定した研究ではありません。

BASの応用では、図鑑を完成させたい人だけを想定しないことを、反例を探す入口にします。好きな種類だけを眺めたい、一匹と長く過ごしたい、友人との会話のために詳しくなりたい。これらは本稿の仮想例であり、利用者の割合を示すものではありません。違う目的を置くことで、同じルールのどこが役立ち、どこが不要になるかを考えられます。

交換も、欠けを埋める効率的な手段という説明だけでは足りない場合があります。何を渡し、誰から受け取り、どんなやり取りをしたかに、本人が意味を見いだすかもしれません。一方で、交換する相手を探す負担や、自分のものを手放したくない気持ちも考えられます。ここでは贈与理論をそのままゲームへ当てはめず、行為の条件と当人の意味づけを分ける仮説として置きます。

したがって、「欠けがあるから関係が生まれる」という一方向の説明にはしません。欠けを残しても関係が続く場合、交換せずに楽しむ場合、完成を機に一区切りつける場合も、比較の候補になります。自分の企画で継続を考えるときも、戻ってくる理由だけでなく、十分楽しんで終わる形を考えられます。参加者がどこまで関わるかを選べることを、設計の外へ追い出さないための問いです。

03
SYMBOLS · レイ

関係を見せる道具と、関係そのものを分ける

関係のルールがあっても、初めて来た人にその全体が見えるとは限りません。何を選んだか、何が変わったか、あとでどこを見ればよいかを知らせる手がかりが必要になる場面があります。『スカーレット・バイオレット』の公式紹介では、捕獲や交換に伴う情報の登録が、図鑑アプリの本棚という表示と結びつけられています。これは特定の作品における記録の表現です。

ボールや図鑑を見分けられることと、操作の意味を理解していることは同じではありません。さらに、表示された記録から本人の愛着を読み取れるわけでもありません。図鑑の登録数が同じ二人でも、そこへ至る道筋は違い得ます。BASは、形、行為、状態、本人の経験をいったん分け、どこをつなげて考えているかを明らかにする見方を提案します。

仮に自作の三人のキャラクターを使い、組合せでできる仕事が変わるカードを作るとします。名前と絵だけで分かる案、できることを短い文で添える案、組み合わせた結果を別の紙に残す案では、伝わる内容が異なるでしょう。この例はPokémonの仕組みの複製や、効果を保証する手順ではありません。自分の案のどこを理解してほしいかを、表現ごとに考えるための仮想例です。

関係を図で見せれば、良い関係になるとは限りません。複雑な関係でも、一場面では一つの選択だけ分かればよい場合があります。逆に、簡単に見えても、結果が説明されなければ判断が難しいことがあります。図鑑の見た目を借りることよりも、選ぶ前と選んだ後に何を知れるかを比べる。その違いを残すと、記号の魅力と、仕組みの使われ方を混同せずに済みます。

04
REEDITING · レイ

別の媒体では、関わり方も作り直される

ゲーム、カード、映像へ広がることを、同じ仕組みの複製として捉えると、媒体ごとの違いを見落とします。ポケモン社のカード事業説明は、カードの組合せによる対戦と、同じポケモンでも多様な絵柄があることを説明しています。企業は対戦や収集の楽しさを語りますが、それは企業の自己説明であり、全購入者の目的を測った結果ではありません。

ビデオゲームの中で一匹を育てることと、その名前のカードを選んでデッキを組むことは、同じ操作ではありません。絵柄を眺めることも、対戦へ参加することと区別できます。媒体をまたぐときに何が共通で、何が新しく選び直されるかを問う必要があります。単に登場先の数を数えても、各接点で本人にどんな経験が残るかは分かりません。

BASがここで置く仮説は、個体の識別、関係の理解、参加する行為、残る記録を分けると、移し先に合う案を考えやすくなるのではないか、というものです。たとえば物語の三人組を案内用のカードにするなら、元の物語を全部読ませる必要があるのか、一つの役目だけ伝わればよいのかを考えられます。すべての情報を運ぶことを一貫性の条件にする必要はありません。

同時に、移し替えるほど良いという結論にもなりません。接点を増やすと、説明や更新が必要な場所も増える可能性があります。何を増やせるかと、何を保ち続けられるかを一緒に考えることが重要です。今回、個別の契約や制作費、各媒体の収益は確認していません。広がりが実際に事業を強めたかという問いは、関係の見立てとは別の検証として残します。